毎日の忙しい時間の中で忘れてしまうことが多いが、ふとした時に目に映る物に興味がある。例えば私などは仕事柄、家具を見る時に感じるのですが、それは全体がどうの、ということでは無く、(もちろん全体が美しいのは重要ですが)むしろ生活の中ではその細部の方が雄弁に何かを醸し出しているように感じます。
生活の中で、ふと目を窓にやる時に視界に入った家具のエッジで輝く面の反射、薄暗くなり始めた頃に日中とは違う輝きを放つ照明直下のテーブル天板の木目、ふとした時に触った椅子の座面の裏の触感。。。
人の手が作り出せないものも、人の手の集積によるものも、物の中に時間を介して存在した痕跡。
そういった細部まで吟味している自分は、つまり製作にあたっては気が抜けないという事で、一時期は偏執狂的にやってましたが、人間の慣れとは恐ろしいもので、今では偏執狂でおおらかという何だか矛盾したバランスで取り組む事が出来るようになりました。。。?
全てコントロールしたい欲求と、コントロールできるはずもない素材の間で揺れております。毎回。